近年日本でもMLBの試合が放送されることが増え、
様々なチームの活躍を目にする機会が多くなっています。
しかしMLBはア・リーグ/ナ・リーグで全30球団ある分、
推し球団が見つけづらく、特定のチームを応援する敷居が高くなっているのも事実です。
当ブログではMLB各球団の歴史的な特色や現在の位置づけ、主力選手について
MLB初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
最後には「こんな方にはこの球団がおススメ!!」といった
筆者のイチオシ球団もお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
今回はア・リーグ西地区編ということで、計5球団を紹介します。
その他の地区やナ・リーグ編についても随時更新してまいりますので、ぜひお楽しみに!
また、「せっかくなら日本人選手が所属する球団を応援したい!」という読者の方向けに
日本人選手の所属球団をピックアップして解説する記事も投稿予定です!
ア・リーグ(アメリカンリーグ)所属球団とリーグの特徴
ア・リーグは1973年からナ・リーグよりも先行してDH制度を導入しており、
守備に難がある選手も起用しやすいことから、長打力のある強打者が育ちやすい傾向にあります。
ナ・リーグも2022年からDH制度を導入しましたが、
そちらはどちらかというと攻守にバランスの取れた万能選手が多い傾向です。
また、ア・リーグには都市部にホームグラウンドを持つ資金力の豊富な球団が多く、
FA補強にも積極的に動く傾向にあります。
全体像としてア・リーグの所属球団を2024年度のリーグ順位に基づいて列挙させていただきます。
★西地区(数字は2024年度のリーグ順位)
①ヒューストン・アストロズ ②シアトル・マリナーズ
③テキサス・レンジャーズ ④オークランド・アスレチックス
⑤ロサンゼルス・エンゼルス
★中地区
①クリーブランド・ガーディアンズ ②カンザスシティ・ロイヤルズ
③デトロイト・タイガース ④ミネソタ・ツインズ
⑤シカゴ・ホワイトソックス
★東地区
①ニューヨーク・ヤンキース ②ボルチモア・オリオールズ
③ボストン・レッドソックス ④タンパベイ・レイズ
⑤トロント・ブルージェイズ
西地区の近年の傾向
西地区は長年アストロズの1強時代が続いていましたが、
マリナーズ、レンジャーズの台頭により、3強による接戦構造になっています。
資金力のあるアストロズ、レンジャーズに対し、
育成面に力を入れているマリナーズが追随するような状況です。
マリナーズはワールドシリーズ制覇の実績がないどころか
ワールドシリーズに進出したことのない唯一の球団となっていますが、
近年は上位争いの常連で、非常に日本のファンも増えているチームです。
アスレチックスは資金力に乏しく、再建期に差し掛かっており、
エンゼルスは大谷選手の移籍など主力選手の移籍が相次ぎ、同じく再建期となっています。
以下各球団の特色について解説していきます。
ヒューストン・アストロズ
地区優勝回数:13回
ワールドシリーズ制覇:2回(2017年・2022年)
チームカラー:攻守バランス型(近年は長打力+投手力)
資金力:A(FA補強・育成の両立)
広大なアストロドームを本拠地とした投手力と守備を重視する傾向がありましたが、
近年は打撃と投手力のバランスが取れた強豪です。
特に2017年以降は緻密なデータ分析に基づく攻撃的戦略で、攻守に隙の無い野球を展開します。
主力選手(投打):
- ヨルダン・アルバレス(DH:指名打者)
– 打率.308、35本塁打、97打点、OPS.990と左の強打者として打線の核。 - カイル・タッカー(RF:右翼手)
– 打率.289、23本塁打、OPSは.993と自己最高水準の成績を記録。
走塁も巧みで攻守でチームの中心選手。 - アレックス・ブレグマン(3B:三塁手)
– 選球眼に優れ、25本塁打・OPS8割台と中軸を支える実力者。勝負強い打撃が持ち味。 - ホセ・アルトゥーベ(2B:二塁手)
– チームの中心選手。身長168cmの小柄な体格ながら長打もあり、攻守の要。 - フランバー・バルデス(先発)
– 左腕エース。2024年は15勝7敗、防御率2.91・169奪三振の好成績。
低めに沈むシンカーでゴロの山を築き、先発陣を牽引。
★筆者のイチオシ!:ホセ・アルトゥーベ選手
1990年生まれの34歳。小柄な体格ながら圧倒的な打撃センスと俊足を兼ね備え、
アストロズの黄金期を支える不動のリーダーです。
2017年には打率.346・24本塁打・81打点で自己最高成績を記録し、ア・リーグMVPを受賞。
攻守の要として7度のシルバースラッガー賞を獲得し、ポストシーズンでも数々の劇的な本塁打で
チームを牽引する勝負強さが魅力の選手です。
シアトル・マリナーズ
地区優勝回数:3回
ワールドシリーズ制覇:なし
チームカラー:機動力・守備重視型
資金力:B(育成中心)
長らく強力打線が名物で、90年代はAロッドらを擁し、本塁打量産の攻撃的チームとして知られました。
一方で2000年代以降はイチロー選手に象徴されるようなスピードと巧打も武器とし、
小技や走塁も絡める野球へと移行。近年は好投手も育ち、投打のバランスが取れてきています。
前述の通りMLB全30球団の中で唯一ワールドシリーズ制覇の実績がないチームですが、
いつその時が訪れてもおかしくない、タレント揃いの魅力的なチームです。
主力選手(投打):
- フリオ・ロドリゲス(CF:中堅手)
– 5ツールプレーヤー。2024年は打率.273、20本塁打、30盗塁を記録。
広い守備範囲と肩の強さも光り、攻守において中心的存在。 - カルロス・サンタナ(DH:指名打者)
– シーズン途中に加入したベテラン。選球眼に優れ、出塁率.370を記録。
若手が多い打線の精神的支柱として存在感を示した。 - カレル・ラレー(C:捕手)
– 強肩強打の正捕手。打率こそ低迷したが、2024年は20本塁打を放ち長打力を発揮。
投手陣を安定してリードするチームのリーダー格。 - ルイス・カスティーヨ(先発)
– エース右腕。2024年は約200イニングを投げ、防御率3点台前半、
奪三振数もリーグ上位と安定感抜群の投球内容。 - アンドレス・ムニョス(救援)
– 剛速球が武器の守護神。最速100マイルを超える速球で打者を圧倒し、
2024年は30セーブ以上、防御率2点台前半と高い安定感を示した。
★筆者のイチオシ!:ルイス・カスティーヨ選手
身長188cm・1992年生まれの32歳。マリナーズのエースとして君臨する実力派右腕で、
鋭く沈むチェンジアップと150キロ超の速球を武器に、三振もゴロも奪える万能型投手です。
2022年にトレード加入するとすぐに球団と5年総額1億800万ドルの大型延長契約を締結。
2024年は約200イニング、防御率3.42、奪三振215と安定感抜群の成績を記録しました。
テキサス・レンジャーズ
地区優勝回数:7回
ワールドシリーズ制覇:1回(2023年)
チームカラー:打撃特化+近年は投手強化傾向
資金力:A(積極補強)
2023年には球団創設から62年目で悲願のワールドシリーズ制覇を達成。
翌2024年は連覇を目指しましたが、ポストシーズン進出を逃しています。
本拠地アーリントンの気温の高さと乾燥した空気も相まって、
2000年代にかけて「打高投低」の傾向が顕著でした。(気温が高く乾燥すると打球が飛びやすい)
一方、2010年代以降は投手力強化にも取り組み、
近年は打撃重視の伝統に加え、盤石な先発陣も整えつつあります。
主力選手(投打):
- コーリー・シーガー(SS:遊撃手)
– 打率.278、30本塁打、OPS.865を記録し、リーグMVP投票で2位に。
勝負強い左の強打者として存在感を放ち、レンジャーズ打線の核を担う。 - マーカス・セミエン(2B:二塁手)
– チームの主将でリードオフマンを務め、全162試合に出場。
打率.272、20本塁打、90打点、15盗塁と攻守でチームを牽引する存在。 - アドルイス・ガルシア(RF:右翼手)
– 長打力と強肩を兼ね備えた外野手。2024年はやや不調ながらも25本塁打を放ち、
豪快なスイングと守備でファンを魅了。 - ネイサン・イオバルディ(先発)
– ベテラン右腕として先発ローテを支え、2024年は12勝、防御率3.63の成績。
シーズン前半に連勝を重ね、経験豊富な投球術で試合を作り続けた。 - ジョシュ・ハダー(救援)
– 2024年7月に電撃トレードで加入した守護神。移籍後は防御率1点台と安定した成績を残し、
短いイニングを圧倒的な投球で支配。クローザーとして多くの勝利を締めくくった。
★筆者のイチオシ!:コーリー・シーガー選手
193cmの長身から繰り出す鋭いスイングと広角に打ち分ける技術を併せ持つ、
リーグ屈指のショートストップ。1994年生まれの30歳で、2020年にはワールドシリーズMVP、
2023年には打率.327・33本塁打でチームを世界一に導きました。
守備でも安定感があり、勝負どころでの一打に強いのが最大の魅力。
冷静な表情の裏に燃える闘志を秘めた、“静かなるクラッチヒッター”です。
オークランド・アスレチックス
地区優勝回数:17回
ワードシリーズ制覇:9回(最後は1989年)
チームカラー:機動力+育成型
資金力:D(低予算)
映画「マネーボール」で日本でも一躍有名となった球団です。
他球団よりも先行してOPS(出塁率+長打率)を重視した戦略に着手。
1970年代前半には投打充実の黄金期でWS3連覇を達成。
80年代後半も長打力中心の強力打線でリーグを席巻しました。
低予算ながら育成とデータ分析で勝利をもぎ取る“アスレチックスの伝統”を持ち味としています。
しかし近年は資金力の乏しさから主力が育つと他球団へ放出するケースが多く、
FA大型補強もほとんどないことから長期間低迷。2024年もMLB最低クラスの年俸総額でした。
しかし、他球団にはない新たなアプローチで飛躍する可能性もある注目のチームです。
主力選手(投打):
- エステウリ・ルイーズ(CF:中堅手)
– 圧倒的な走力を誇るリードオフマン。2024年はMLBトップの67盗塁を記録。
打率.260と出塁率に課題はあるが、圧倒的な走力で存在感を発揮。 - ザック・ゲロフ(2B:二塁手)
– 7月にメジャーデビューした新人。パンチ力のある打撃で14本塁打を放ち、
チームの後半戦を牽引。将来のクリーンナップ候補として期待されている。 - シェイ・ランゲリアーズ(C:捕手)
– 正捕手としてシーズンを通してマスクをかぶり、打率.205ながら19本塁打を記録するなど
長打力を発揮。若い投手陣をまとめるリーダー役として不可欠な存在。 - ポール・ブラックバーン(先発)
– 生え抜きの右腕。2024年は規定投球回に届かなかったものの、防御率3.78と安定した投球。
若手中心の先発陣において貴重な経験値を持つ精神的支柱となった。
★筆者のイチオシ!:ザック・ゲロフ選手
身長185cm・1999年生まれの25歳。2024年に本格ブレイクし、
7月の昇格からわずか数ヶ月で14本塁打を放つなど、パンチ力のある打撃で注目を集めました。
内野の要である二塁を守りながらも、長打を狙えるバッティングスタイルが魅力。
積極的なスイングと勝負強さは、再建期にあるアスレチックスの希望の光。
将来の主軸候補としてファンの期待を一身に背負う若きホープです。
ロサンゼルス・エンゼルス
地区優勝回数:9回
WS制覇:1回(2002年)
チームカラー:攻撃力と機動力の融合。投手力に大きな課題。
資金力:B(大型契約多いが費用対効果に課題)
ディズニー傘下だった2002年に初のワールドシリーズ制覇。
直近では2010年代に何度かポストシーズン進出するもシリーズ制覇には至っていません。
攻撃力と機動力の融合が特色で、2000年代前半のマイク・ソーシア監督は
「スモール・ベースボール」を掲げ、堅守と積極走塁でチームをワールドシリーズ制覇に導きました。
大都市LA近郊を拠点とし資金力は豊富ですが、補強策が奏功せず結果に結びついていない状況です。
近年も大型契約(プホルスやレンドン)に踏み切りましたが費用対効果に課題を残しています。
主力選手:
- マイク・トラウト(CF:中堅手)
– MVP級の実力を持つ球界屈指のスーパースターで、チームの主将も務めています。
WBC決勝では当時チームメートだった大谷選手との対決も話題になりました。
2024年は手術による離脱がありながら108試合に出場し、打率.280、18本塁打と実力を発揮。 - ロレンゾ・パーマー(RF:右翼手)
– 期待の若手外野手。トラウトの不在時に台頭し、打率.265、15本塁打、20盗塁と躍動。
俊足強肩で守備でも貢献し、将来の中軸候補として期待されている。 - パトリック・サンドバル(先発)
– 左の先発の柱。2024年は8勝13敗、防御率4.74と苦戦したが、変化球主体の投球で
イニングを稼ぎ、ローテーションを支え続けた。チェンジアップのキレは依然一級品。 - カルロス・エステベス(救援)
– クローザーとしてブルペンを牽引。2024年は30セーブ、防御率3.98を記録。
登板機会の少なさはあったものの、チームの頼れる存在として奮闘した。
★筆者のイチオシ!:マイク・トラウト選手
1991年生まれの33歳。MLBを代表するスーパースターで、通算3度のア・リーグMVPを獲得。
自己最高は2016年の打率.315・29本塁打・OPS1.000超という圧巻の成績。
抜群の選球眼、バットコントロール、守備範囲の広さ、走塁力まで兼ね備えた
“5ツールプレーヤー”として名を馳せています。故障に悩まされながらも、出場すれば存在感は別格。
まさに現代野球の象徴的選手です。
まとめ
今回はア・リーグ西地区編として5球団の特色と主力選手をまとめましたが、いかがでしたでしょうか。
その中でも私のイチオシ球団はイチロー選手も所属した「シアトル・マリナーズ」です。
全30球団で唯一ワールドシリーズ制覇の経験がないチームですが、
近年は上位争いの常連となっており、いつ歓喜の時が訪れても何ら不思議ではありません。
「推し球団が見つかった!」という方はぜひコメントで教えてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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