最近、日本でもMLB(メジャーリーグベースボール)の話題を見かけることが増えてきました。WBCや大谷翔平選手の活躍が注目される中、「MLBにも興味が湧いてきた」という人は少なくないと思います。
筆者も約20年間NPB(日本プロ野球)を追い続けてきた人間ですが、MLBの世界に足を踏み入れて驚いたのは、歴代の名投手たちの“スケールの大きさ”でした。その中でも、ひときわ輝きを放っていた存在がクレイトン・カーショー(Clayton Kershaw)です。
今回は、ドジャース一筋の左腕であり、現代MLBを代表するレジェンド投手、カーショーの軌跡をたどります。
クレイトン・カーショーとは?
本名:クレイトン・エドワード・カーショー
生年月日:1988年3月19日
出身地:アメリカ・テキサス州ダラス
所属チーム:ロサンゼルス・ドジャース(2008年〜)
ポジション:先発投手
投打:左投左打
主な実績:
- サイ・ヤング賞(3回)
- MVP(2014年)
- オールスター選出10回以上
- ゴールドグラブ賞、最多奪三振、最優秀防御率など多数
- 通算200勝以上(※2024年シーズン終了時点)
カーショーは、長年にわたりMLBを代表するエースです。速球、スライダー、カーブを自在に操る投球術は、「現代最高の左腕」とも呼ばれています。
ドラフト全体1位候補だった男
2006年のMLBドラフトで、カーショーは1巡目(全体7位)でドジャースから指名されました。
高校時代から評価は高く、「史上最高の高校生左腕」とまで言われた逸材。当初は全体1位候補とも噂されていましたが、契約金の高さと将来性のリスクから7位にスライド。しかしドジャースはその才能に惚れ込み、迷わず指名を決断します。
メジャーデビューと圧巻の成績
2008年、20歳でMLBデビュー。若干制球に課題を抱えながらも、圧倒的なカーブと伸びのある速球で打者を翻弄し、あっという間にローテーションに定着。
2011年には、
- 21勝
- 防御率2.28
- 奪三振248
を記録し、初のサイ・ヤング賞を受賞。以降も2013年、2014年と2度の受賞を重ね、MLB最強投手の座を不動のものにしました。
さらに2014年には投手として異例のリーグMVPも獲得。防御率1.77、16試合連続勝利など、歴代屈指のシーズンを記録しました。
ポストシーズンでの苦悩と“真のエース”への成長
カーショーには長年、「ポストシーズンに弱い」というレッテルが貼られていました。レギュラーシーズンでは無双する一方で、プレーオフでは突然崩れるシーンもあり、評価が割れる場面も。
しかし、そんな流れを払拭したのが2020年のワールドシリーズ制覇でした。
コロナ禍の中行われたこの年、カーショーはプレーオフで安定した投球を見せ、ワールドシリーズでも2勝を記録。キャリア通算の“最後のピース”を手に入れ、ファンと球団から正式に“レジェンド”として認められることになりました。
WBC辞退の背景にあった“アメリカ式の壁”
2023年WBCでは、カーショーもアメリカ代表入りを強く希望していました。本人は「家族の夢でもある」「アメリカ代表として戦いたい」と語り、意欲は十分でした。
しかし、最終的には代表入りを辞退。その理由は、MLBと保険契約の都合によって代表登録が不可能となったことにあります。
- MLBではWBCに出場する選手に対して「保険」が必要
- カーショーは過去の怪我歴や年齢の問題で、保険会社が引き受けを拒否
- 結果としてWBC出場は断念せざるを得なかった
本人も非常に残念がっており、「この決定は本当に心が痛む」とコメント。これはMLB選手とWBCの距離感や課題を象徴する出来事でもありました。
人間性と信仰──チームを超えた信頼
カーショーは投手としての実力以上に、人間性でも尊敬を集める選手です。
- 妻との長年のチャリティ活動
- アフリカでの学校建設支援
- チームメイトへの深い配慮とリーダーシップ
- 控えめで誠実な言動
まとめ:カーショーが証明した“野球は人間の物語である”ということ
クレイトン・カーショーは、単なる“速球派エース”ではありません。10年以上にわたり一線で活躍し続け、栄光と苦悩の両方を経験してきた男。そのキャリアは、まさに現代MLBの縮図です。
ドジャース一筋の姿勢、常に謙虚で誠実な振る舞い、チームへの献身。
数字以上に心を打つ、“人間として尊敬されるレジェンド”のあり方を、彼は体現しています。
あなたの「気になるMLB選手」を教えてください!
今回はクレイトン・カーショーについてご紹介しましたが、MLBにはまだまだ魅力的な選手がたくさんいます。もし「この選手のことをもっと知りたい」「この選手の軌跡も記事にしてほしい」という声があれば、ぜひコメント欄やSNSで教えてください!
MLBの面白さを一緒に深掘りしていきましょう!
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