最近、日本でもMLB(メジャーリーグベースボール)がメディアで取り上げられる機会が増え、「ちょっと観てみようかな」と思い始めた方も増えてきているのではないでしょうか?筆者もそのひとりで、約20年間NPB(日本プロ野球)を見てきた中で、MLBにはあまり触れてこなかったのですが、2023年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)をきっかけに、その面白さに引き込まれるようになりました。
なかでも注目したのが、“アメリカ代表の4番”として存在感を放っていたポール・ゴールドシュミットという選手です。WBC決勝前のミーティングでは、大谷翔平選手が彼の名前を挙げて士気を高めたというエピソードも印象的でした。
今回は、そんな「理想の打者像」とも言えるゴールドシュミットのキャリアと人物像を、MLB初心者の視点で紹介していきます。
ポール・ゴールドシュミットとは?
本名:ポール・エドワード・ゴールドシュミット
生年月日:1987年9月10日
出身地:アメリカ・デラウェア州
ポジション:一塁手
所属チーム:セントルイス・カージナルス(2019〜)、アリゾナ・ダイヤモンドバックス(2011〜2018)
主な実績:
- ア・リーグMVP(2022年)
- ゴールドグラブ賞(4回以上)
- シルバースラッガー賞(5回以上)
- オールスター選出(7回以上)
ゴールドシュミットは、MLB屈指の完成度を誇る一塁手。攻守に優れた“トータルプレイヤー”であり、長打力だけでなく、出塁能力、走塁、守備、リーダーシップとあらゆる面で高い水準を維持し続ける選手です。
ドラフトは無名校からの下位指名
ゴールドシュミットは、2009年のMLBドラフトでアリゾナ・ダイヤモンドバックスから8巡目(全体246位)で指名されました。
彼の出身校はテキサス州の州立大学(テキサス州立大学サンマルコス校)で、決して有名とは言えず、体格的にも特別目立つ存在ではありませんでした。しかし、当時から「真面目で努力家、常に結果を出す男」として注目されており、入団後すぐにマイナーで長打力を見せつけます。
2011年、メジャー初昇格で即インパクト
2011年、メジャー初昇格するとすぐに長打力と勝負強さでファンの注目を集め、以降は一塁手としてチームの中心に。
2013年には打率.302/36本塁打/125打点/出塁率.401を記録し、MVP投票でも2位に入るなど、完全にリーグを代表するスラッガーへと成長しました。
「数字だけでなく人格でも尊敬される男」
ゴールドシュミットがMLBで特別な存在である理由は、野球の能力だけでなく、その人間性にもあります。
- クラブハウスでの礼儀正しさ
- 常に冷静で謙虚な態度
- 若手選手への積極的なサポート
- 社会貢献活動への積極参加
など、「人格者」としてMLB選手間でも最も尊敬される選手の一人なのです。
MVP受賞──30代でもなお進化し続ける
2019年にカージナルスへ移籍して以降も、成績は安定。
そして2022年、34歳にしてキャリアハイのシーズンを送り、ついにナ・リーグMVPを初受賞。
- 打率.317
- 本塁打35
- 打点115
- OPS.981(リーグ2位)
30代半ばに差し掛かってもなお進化を続けるゴールドシュミットに、全米が称賛を送りました。
2023年WBC──日本とアメリカの「本気の勝負」
2023年WBCでは、アメリカ代表の4番・一塁手として出場。初回からヒットを放つなど、日本戦でも変わらぬ存在感を見せました。
日本中の記憶に刻まれたのはWBC決勝直前のミーティングでの大谷翔平選手のスピーチでした。
「憧れるのをやめましょう。ファーストにはゴールドシュミットがいたり・・・
この言葉の中で、大谷は“相手のスター選手の代表格”としてゴールドシュミットの名を最初に挙げました。
それはまさに、「日本の野球少年たちも憧れる存在」であることの証明であり、同時にゴールドシュミットという選手の圧倒的な格の高さを示す象徴的な一幕でした。
まとめ:すべてを兼ね備えた“プロフェッショナル”
ポール・ゴールドシュミットは、長打力・守備力・出塁率・走塁力・リーダーシップという、現代野球で求められるすべてを備えた「理想の打者像」。
大谷翔平が名指しで“倒すべき存在”としたように、彼はMLBの最高峰に位置する“完全無欠の打者”です。
MLBの選手の中には派手なパフォーマンスで目立つ選手も多いですが、ゴールドシュミットのような「実直な努力型スーパースター」にこそ、本物の価値が宿っていると感じさせられます。
あなたの「気になるMLB選手」を教えてください!
今回はポール・ゴールドシュミットについてご紹介しましたが、MLBにはまだまだ魅力的な選手がたくさんいます。もし「この選手のことをもっと知りたい」「この選手の軌跡も記事にしてほしい」という声があれば、ぜひコメント欄やSNSで教えてください!
MLBの面白さを一緒に深掘りしていきましょう!
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