最近、日本でもMLB(メジャーリーグベースボール)がテレビやSNS、ネットニュースなどで取り上げられる機会が増え、気づけばMLBに興味を持ち始めたという人も多いのではないでしょうか。かく言う筆者もその一人です。これまで約20年間、NPB(日本プロ野球)を追い続けてきましたが、MLBのスケール感やスター選手たちの活躍ぶりに惹かれ、今ではすっかりハマり始めています。
とはいえ、MLBはNPBとは文化も仕組みも大きく異なるため、最初は「どこから楽しめばいいのか分からない」という方も多いはず。そんなとき、筆者がたどり着いたのは「選手一人ひとりの物語を知ること」でした。
今回は、MLBのここ10年を象徴するスーパースター、マイク・トラウト(Mike Trout)にフォーカス。彼のキャリアを振り返りながら、なぜ“現代最高の野球選手”と呼ばれているのか、その理由をひも解いていきます。
マイク・トラウトとは?
本名:マイケル・ネルソン・トラウト
生年月日:1991年8月7日
出身地:アメリカ・ニュージャージー州
ポジション:外野手(センター)
所属:ロサンゼルス・エンゼルス(2009年ドラフト〜現在)
主な受賞歴:ア・リーグMVP(3回)、新人王、オールスター選出10回以上、シルバースラッガー賞、WAR年間1位常連
“5ツールプレーヤー”という表現がもっともしっくりくる存在。それがマイク・トラウトです。打率・出塁率・長打力・走塁・守備のすべてでトップクラス。MLBアナリストの間では「この10年で最も安定してWAR(勝利貢献度)を稼ぎ続けた男」として語られています。
ドラフト時の評価と“唯一無二の成長”
2009年、マイク・トラウトはエンゼルスから1巡目(全体25位)で指名されました。
この年はブライス・ハーパーの話題で持ちきりでしたが、トラウトは地元ニュージャージー州の高校で無名に近く、寒冷地の高校生は評価が下がる傾向にあることから、スカウトの注目度も限定的でした。
しかしエンゼルスのスカウトがその身体能力と野球IQを高く評価。当時から打撃・走塁・守備すべてにおいて完成度が高く、入団後はマイナーでも着実にステップアップ。異例のスピードでトッププロスペクトへと成長していきます。
2012年、衝撃のルーキーイヤー
MLB昇格後の2012年、20歳の若さでフル出場したトラウトは、まさに“未来のチームの顔”を体現するパフォーマンスを披露します。
- 打率.326
- 本塁打30
- 盗塁49(リーグ1位)
- 出塁率.399
- WAR 10.5(全体1位)
新人王はもちろん満票で受賞。さらにMVP投票でも当時のミゲル・カブレラと僅差の2位に入るなど、衝撃のデビューを果たしました。
MVP常連――数字だけで語れない“偉大さ”
その後もトラウトは常に高水準のパフォーマンスを維持し、2014年、2016年、2019年にはア・リーグMVPを獲得。
驚くべきは、彼が2012〜2019年の間でMVP投票7回連続トップ2以内という“異常なまでの安定感”を記録していること。コンディション管理・選球眼・パワー・スピードのバランスが完璧で、まさに「選手として完成されている」と言える存在です。
怪我との戦い、そして“見えない偉大さ”
2020年代に入ってからは、ふくらはぎ、背中、手首などの怪我に悩まされ、フル出場の年は少なくなってきました。しかし、限られた出場試合数でもOPS(出塁率+長打率)は常に.900〜1.000以上をキープ。規格外の打撃力は健在です。
また、成績の派手さこそやや落ち着いて見えますが、WBCで大谷翔平と“世界一決定戦”で対峙した経験や、常にチームのリーダーとして若手を支える姿勢に、「成績だけでは語れない偉大さ」がにじみ出ています。
大谷翔平との“共存”と友情
近年、日本でもトラウトの名前が広く知られるようになった最大の要因は、やはり大谷翔平との共演でしょう。
- 試合中の二人の笑顔
- お互いを称えるインタビュー
- WBC決勝での“夢の対決”
など、世界中の野球ファンが胸を熱くする場面を生み出してきました。トラウトは大谷について「今まで見たことのない才能」と絶賛し、大谷もまた「尊敬する先輩」として名前を挙げています。
まとめ:トラウトが象徴する“MLBの本質”
マイク・トラウトは、派手な演出やパフォーマンスではなく、静かな努力と持続的な成績でMLBをけん引してきた選手です。
常に冷静で、チームの勝利のために淡々と自分の役割をこなし、誰よりも高い基準でプレーを続けてきたその姿勢は、まさに「プロフェッショナルの極み」。
NPBファンにもぜひ知ってほしい、「記録にも記憶にも」残る男のひとりです。
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今回はマイク・トラウトについてご紹介しましたが、MLBにはまだまだ魅力的な選手がたくさんいます。もし「この選手のことをもっと知りたい」「この選手の軌跡も記事にしてほしい」という声があれば、ぜひコメント欄やSNSで教えてください!
MLBの面白さを一緒に深掘りしていきましょう!
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