最近、日本でもMLB(メジャーリーグベースボール)がテレビやSNS、ネットニュースなどで取り上げられる機会が増え、気づけばMLBに興味を持ち始めたという人も多いのではないでしょうか。かく言う筆者もその一人です。これまで約20年間、NPB(日本プロ野球)を追い続けてきましたが、MLBのスケール感やスター選手たちの活躍ぶりに惹かれ、今ではすっかりハマり始めています。
しかし、MLBとNPBでは文化やシステムが大きく異なるため、初めて観る人にとっては「どこから楽しめばいいの?」と戸惑うことも多いはずです。そんな中で筆者が感じたのは、「まずは選手一人ひとりのストーリーを知ること」こそが、MLBをより深く、より面白く観るための第一歩であるということ。
今回は、そんなMLBの中でもニューヨーク・ヤンキースの象徴として君臨するスーパースラッガー、アーロン・ジャッジ(Aaron Judge)について、そのドラフトから現在に至るまでの軌跡を辿っていきます。
アーロン・ジャッジとは?
本名:アーロン・ジェームズ・ジャッジ
生年月日:1992年4月26日
出身地:アメリカ・カリフォルニア州リンデン
ポジション:外野手(主にライト)
所属:ニューヨーク・ヤンキース(2016〜現在)
主な受賞歴:ア・リーグMVP(2022年)、ホームラン王(2回)、新人王(2017年)、シルバースラッガー賞など多数
身長201cm、体重約130kgという圧倒的な体格を活かし、MLBでも屈指の飛距離とパワーを誇るスラッガー。加えて守備範囲も広く、肩も強く、さらにはリーダーシップにも優れており、“完璧な野球選手”とも称される存在です。
ドラフトでは将来性重視の評価だった
ジャッジは2013年、ニューヨーク・ヤンキースから1巡目(全体32位)で指名されました。カリフォルニア州立大フレズノ校で活躍していたものの、当時はまだ「生粋のスラッガー」ではなく、体格の割にホームランが少ない点が課題とされていました。
しかしヤンキースはそのポテンシャルと人間性を高く評価し、育成を前提に指名。時間をかけて育てる方針のもと、マイナーで基礎をしっかりと固めていきます。
2017年、“ジャッジ”旋風がMLBを席巻
MLB昇格は2016年後半。その翌年の2017年、アーロン・ジャッジは歴代新人最多の52本塁打を放ち、一躍MLBのスーパースターへと躍り出ました。
- 打率.284
- 本塁打52(ア・リーグ2位)
- 出塁率.422
- 長打率.627
- 新人王を満票で受賞
同時にMVP投票でも2位に食い込み、ヤンキースの「新時代の顔」として認識されるようになります。ヤンキースタジアムの一角には“ジャッジズ・チェンバー”と呼ばれる応援エリアが設けられ、熱狂的なファンに囲まれる存在となりました。
怪我との戦い、そして完全復活
2018年以降は、度重なる負傷によって満足なシーズンを送れない年も続きました。特にリブ(肋骨)やふくらはぎ、手首の故障に悩まされ、長期離脱も経験。
しかしジャッジはそのたびに復活を遂げ、安定した出塁率や守備貢献を維持。常にチームの精神的支柱として存在感を発揮し続けました。
歴史を塗り替えた2022年シーズン
そしてついに迎えた2022年、ジャッジはア・リーグ新記録となる62本塁打を放ち、野球史にその名を刻みます。
- 本塁打62(ア・リーグ新記録)
- 打点131(リーグ1位)
- 出塁率.425
- OPS 1.111
- MVP受賞(満票)
この記録は、長らくロジャー・マリス(1961年)の61本が保持していた「ア・リーグ記録」を61年ぶりに塗り替えたもので、MLB史における“伝説的なシーズン”として語り継がれることとなりました。
FAを巡る注目のオフと“キャプテン”就任
2022年オフ、ジャッジはFAとなり、多くの球団が獲得に動きました。特に地元のサンフランシスコ・ジャイアンツやパドレスが高額契約を提示したことで、去就に注目が集まります。
最終的にジャッジはヤンキースと9年3億6000万ドルで再契約。チーム愛とファンへの忠誠心を貫き、翌年にはヤンキースの“キャプテン”に就任。これはデレク・ジーター以来となる名誉ある役職です。
ジャッジが持つ“人格と規律”
アーロン・ジャッジの魅力は、その野球能力だけでなく、誠実で品位ある態度にもあります。インタビューでは常にチームファーストの姿勢を貫き、若手の面倒見も良く、対戦相手へのリスペクトも欠かさない。
まさに「模範的リーダー」「MLBの顔」としてふさわしい人格の持ち主です。
まとめ:ジャッジの存在はヤンキースそのもの
アーロン・ジャッジは、単なるホームランバッターではなく、「ヤンキースの哲学」を体現する存在です。
一球一打に誠実で、ファンとチームへの忠誠を貫き、圧倒的なパフォーマンスで魅せるスーパースター。
彼のキャリアは、MLBのダイナミズムと伝統の両方を知るうえで、まさにうってつけの“物語”といえるでしょう。
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今回はアーロン・ジャッジについてご紹介しましたが、MLBにはまだまだ魅力的な選手がたくさんいます。もし「この選手のことをもっと知りたい」「この選手の軌跡も記事にしてほしい」という声があれば、ぜひコメント欄やSNSで教えてください!
MLBの面白さを一緒に深掘りしていきましょう!
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